施主の親が土木の仕事をしていて、既にリタイアしている現場のお話です。
基礎工事から直接親から呼び出しされて現場に急行することが多い現場で、途中から私が行くときは呼ぶようにしていました。
おそらく、親に現場を見てもらうように頼んでいたのかな?というくらい、現場で細かい事も指摘をされました。
ただ、基礎業者も悪いですし、私も準備不足で悪かったと思います。
施主からのイメージも悪い状況からの大工工事スタートでした。
1.大工が現場にいない!
基礎が完成し、大工入りも決まったので施主へ日程の連絡をしました。
施主もわかりましたと、少し嬉しそうでした。
当日の午後に施主から連絡がありました。
“父が行ったのですが、誰もいなかったのです。”
すぐに、大工に連絡を取りました。すると、熱が出て休ませてもらったとの事でした。
大工にそのような時は直ぐに連絡くださいと伝え、
施主に謝罪と体調の予定が立ちましたら連絡させてくださいと伝えました。
2.また、大工が現場にいない!!
大工から体調が良くなったので明日から出ますと連絡があり、施主に連絡をしました。
施主は、父が見に行くと思いますのでお願い致します。との事でした。
大工工事の初日の午後、また施主から連絡があり大工がいないとの事でした。
さすがに、施主も苛立ちを隠しきれない様子でした。
とにかく謝罪し、大工に確認をしようと携帯をみると、LINEに連絡が来ていました。
“妻と子供が熱が出て病院に行きます”
上記の内容が午前の早い時間に来ていたのです。私も気が付いていなかったのです。
大工に連絡して、このような事があれば電話をお願いしますと伝えました。
その後、施主に改めて朝LINEで連絡が来ていて気が付かなかった事、再度ないようにする為の私の確認不足を謝罪しました。
そして、翌日大工が入ることを伝えました。
3.大工が親と施主に嘘をつく
予定より一週間遅れ大工工事がスタートしました。
挨拶で施主とお父さんが来たようでした。
お父さんは基礎工事で私に不信感があったので、
本当に大工入りが伸びることを私に連絡していなかったのかを大工に直接聞いたのでした。
“今回の件は、担当に電話連絡して伝えましたよ”
と言ったのでした。
現地から私に電話がありました。
“あなたの言っていることと大工さんの言っていることが違うしちょっと会えますか?”
朝、大工入りを大工に確認していましたが、丁度心配で向かっている最中でしたので、
施主からの電話の後、程なくして到着しました。
お父さんは直ぐに私に言いました。
“あなたの言っていることと大工さんの言っていること全然違うよ”
“自分を守るために大工の責任にしていってるんでしょ”
私は、大工へメラメラ来ていました。
追い打ちをかけるように、施主は大工へ質問します。
“担当者へ電話して伝えているですよね?”
大工は “はい” と答えました。
私は開いた口が塞がらない状況で、基礎工事であったことなども蒸し返され、サンドバック状態でした。
とにかく、話を聞いて今後ないようにする事と謝罪をしました。
4.工事は順調に進む
冬でしたし、大工も遠方の方だったので吹雪で来れなくなったり、体調不良だったりで休む時は
電話連絡はくれるようになりましたので、都度施主へ連絡していました。
その後、引き渡しまで工事は問題なく進んでいきました。
5.引き渡し後にお父さんからの呼び出し
冬にマイナス温度になるところでは外構工事(アスファルトや擁壁、カーポートなど)を春に行います。
なぜなら、凍上と言って冬は地面が凍って盛り上がるので施工してしまうと、
春に外構が下がってしまってガタガタになるからです。
もれなく、今回引き渡した新築も春に行う現場で始める連絡をしました。
その際の、アスファルト下地となる砕石路盤にお父さんからクレームが入り向かうことに…
6.コンクリートのゴミをなぜ使っている!
アスファルトの下地に再生骨材と言われるコンクリートを砕いた砕石を使用しているのを見て、納得できないとの事でした。
お父さんは再生骨材を知らないようでした。1時間近くおかしい、認められないの繰り返しでした。
後日、外構業者が持ってきた再生骨材会社から納品書を貰い、それをお父さんへ渡しました。
すると、納品書に記載されていた寸法の石より多きものを探し出し指摘してきました。
お父さんはさらにヒートアップしていましたが、それは申し訳ないけども許されているものと突っぱねました。
7.現状のアスファルト砕石に10㎝かぶせる
妥協案として、表面の10㎝を再生骨材ではなく砕石(石)に変えてやらして下さいと言いましたら、
しぶしぶ了解を貰いました。
8.工事当日に砕石厚みで指摘する。
工事当日もちろん、お父さんはいました。
その際に、当社は30cmの下地路盤にしているのですが、ないところがあると言われました。
基礎から道路までの糸を引っ張り路盤の深さを確認すると問題ありませんでした。
とにかく、いちゃもんを付けたくてしょうがない感じでした。
施主もおり、やっている時もお父さんは野次を飛ばし、施主に説明ながら見ていました。
9.野次から信頼を勝ち取る
確認してもらいながら工事を進めて何とか終わりました。
お父さんはずっと小言を言いながら、まあいいじゃないかなと了解してもらいました。
施主もありがとうございますと言って終わりました。
ほっとして、帰っている時に施主から連絡がありました。
“あんなに一生懸命やってくれているのに、父がみんなに聞こえるように嫌味を言っていて大変申し訳ございませんでした。いつもあの中でやってもらっていたのかと思うと恥ずかしくて…今後も長い付き合いになると思いますし、何かあっても父を出さないようにします。今後ともよろしくお願いいたします。”
電話の内容が今までと違いすぎてびっくりしたのとホロっと涙が出そうでした。
きっかけはどうであれ、丸く収まってよかったです。
10.反省と改善
結局、私の連絡・確認不足が引き金になっています。
始めの基礎もお父さんがくるのが分かっているので早くに確認しておく、大工が信用ならないのであれば、こまめに電話する。外構は資料の用意をしておく、色々できたことがあったと思います。
私の知識もあがり、施主からも最後は評価いただきましたので寄り添った仕事をしっかりしていけば取り返せるのでダメだとあきらめずに向かっていきたいと思います。