#8 仕様表記間違いから負の連鎖

 ネットなどで買い物した時に色は欲しかったものだけど、グレードや仕様が違ったことなかったですか?

 お風呂の図面表記が間違っており施主のイメージと違うものが取り付いた時のお話です。

1.ユニットバスの仕様が違う!

 建物がほぼ完成した際に、営業が完成検査に行きました。その際に、ユニットバスの仕様が違うと連絡が入りました。

“ユニットバスの色・仕様は図面通りですが、間違ってます”

 仕様とは取り付いているものが違うという事です。例えば、照明の形やユニットバスの形、シャワーフックが違ったりすることです。

 今回は、仕様がワングレード下がったタイプが取り付いてしまっていました。施主と契約段階の図面表記から間違っており、ワングレード上げる費用を貰っているのに誰も気が付かず進んでしまったのです。

2.手直し見積もりと納期

 発覚が引き渡しまで残り1週間のタイミングでした。

 仕様が全く違うもので、鏡、シャワーフック、床、浴槽、照明が違うのですべて入れ替えです。

 すぐに金額と交換工事の大体の日程を確認しました。

 すると、工事は約1.5か月後と言われ金額も通常の金額にもう一回り大きくした額でした。さらに、ユニットバスすべて交換になるとクロスや、枠、床にキズが入り交換費用以上にかかる可能がありました。

 上司と営業、設計と話し、もしユニットバスをそのままで納得してもらえれば、近い金額の物を提案してみようと話になりました。前提は全面交換です。

3.施主に謝罪と説明

 営業がアポイントを取り、仕事終わりに現地に来てもらい、私・営業・設計と引渡し前に説明をしました。

 営業が一通り電話で一度説明しており、謝罪の後、確認してもらうとユニットバスの排水栓がゴム栓が気になりワンプッシュ排水栓がいいと言われ、全面交換させてもらう事になりました。

 終わり際、何かサービスしてくれないのかと言われました。交換しないなら、エアコンや風除室を付けるとかあったと思うけど出来ないのかとの事でした。お客様の気持ちになるとわからなくはないですが、弊社としては図面通りに直すのであればそれ以上は出来ないと話して、しぶしぶ納得されていました。

4.引き渡し時に日程を決まる

 その後、引渡しに交換日程を決めました。夫婦ともに共働きで引渡しから2か月後になりました。

5.2度目の間違い

 交換当日、朝から入らせてもらっており、周りに傷がつかないよう養生をしっかり行い施工させてもらっていました。既存ユニットバスの解体が終わり、使う資材の仕様確認を行っていましたら浴槽にワンプッシュ排水栓の穴が見当たりませんでした。

 背筋がぞっとしまいた。施工業者に確認するとワンプッシュ排水栓仕様になってないのと問屋の担当者に確認してくれと言われ電話しました。

 “申し訳ありません。間違えて手配してしまいました。”

との事でした。施主に伝える前に営業・上司に連絡し状況を伝えました。もしかすると、私が伝えた後に連絡がいくかもしれませんからね。

6.施主激怒

 ユニットバスの工事に奥様が立ち会われていたので、奥様に伝えさせてもらいました。その後、主人から直ぐに電話がかかってきました。

“いい加減にしてくれ!妻の仕事を休ませて、立ち会わせてまた時間下さい。なんておかしいだろ”

“職場の人に話したら笑い者だ”

“次は土日の工事しか認めない”

“何かつけてくれないのか?会社と相談してくれ”

 上記内容の連絡が来ました。大変申し訳ないことですし、まず、報告したうえで本日の夜に問屋と伺わせてくださいと伝えました。

7.問屋と謝罪

 施主の仕事終わりを聞き、20時に伺うことになりました。上司からは謝罪することと話を聞いて何を要求してくるのかを聞いて来いと、そして、菓子折りを問屋にも用意させるように言われました。

 施主宅へ行くと主人は、電話よりは落ち着いておりましたが、話していると時折怒りがこみ上げてきている様子でした。電話で話したように、土日で工事をしてほしいという事、エアコンや風除室は取りついているのでそれ以外で誠意を見せてくれと言われました。

 施主宅を出た後、業者と話し暖房乾燥機を付けれないか確認しました。弊社も電源の問題があるので上司に確認します。日程は合わせるしかないので早急に教えてくださいと伝えました。

8.誠意とはなにか?

 施主も脅迫にならないように聞いてきます。

 車と車がぶつかったときに、直す分のお金しか出ないですよね。

 何か間違えたり、傷付けた度にお金を払っていたら、何かあれば都度請求されます。

 そのような関係ならないように接していかないといけないですよね。

9.浴室暖房乾燥機のプレゼント

 会社に説明し、電源の取り付けを了解貰いました。問屋も浴室暖房乾燥機の取り付けを承認もらい、土曜日の予定も抑えることができました。

 施主に連絡を行い、浴室暖房乾燥機の設置と土曜日の施工日程を伝えました。

 日程も了解を貰い、プレゼントも納得した様子でした。

 その後、何とか無事に工事は完了し終えることができました。施主に迷惑を掛けてしまいましたが、引渡しから4カ月の歳月をかけて正しいものが取り付きました。

10.反省と改善

 今回は営業の図面確認不足、設計積算の予算確認不足、私によるプレゼンによる確認不足が原因と思われます。

 その後は、工事の私はメーカーに浴室プレゼンを作ってもらい着工前に確認し施主からサインを貰うようにしました。早い段階で分かれば、軌道修正も簡単ですからね。

 また、8.の誠意とはですが、よく営業や工事担当者は言われることがあるのではないかなと思います。言われないようにするのが一番ですが、状況になったときに言われるような人間関係を作らないようにする事も大事だと思います。人間誰だってミスをします。密に連絡、気遣い出来ていれば、よっぽど性格が悪くなければ許してくれる人が多いです。これから何年も家をメンテナンスしていく人たちに言いづらくなる事は出来ないですし、私たちも見に行きづらくなるのは大変です。

 今後、このようなことが無いようしていくのと、皆さんは私の様にならないように頑張っていきましょう!

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