#1 住宅屋根から落雪事故の危険予知、図面の検討不足

住宅を検討する際、間取りや設備に目が行きがちになりますが、外回りや建物の配置計画もとっても大事なんです。

私は現場をもって1年目(2008年頃)のお話です。

1.問題発生と結末

間もなく新築工事完了現場にて物件担当の営業担当Aさんから連絡がありました。

屋根に雪止め金物を取り付けないと駐車スペースに落雪して車が凹むのではないかと言われました。

まず、図面に駐車スペース側への雪止め金物の表記がなく、上司へ報告後、現場へ確認しに行きました。

当然のように屋根に何も取り付いてないですし、Aから言われた通りの状況でした。

事務所へ戻り会社(上司)へ報告し営業と施主へ説明を行い雪止め金物を取り付けを行いました。

2.問題の内容

屋根が切妻といわれる左右に分かれる一般的な三角屋根でした。

配置図面だとこのようなイメージ

建物のすぐ横が駐車スペースだったのです。

建物横すぐに駐車スペースが計画されていました。

立面図だと下記のイメージ

立面図で気付けた内容・・・

屋根に積もった雪が直接車に落ちてしまう恐れがある状態でした。

当時、初めて担当を受け持った現場だったとはいえ、気が付かず恥ずかしかった記憶があります。

3.対策として、板金下にルーフヒーターを入れるか雪止め金物を取り付けるか

A.ルーフヒーターは屋根板金の裏側に鉄線ユニットを入れて電気を流し、軒先の雪を溶かして落雪を防ぐ商品です。

 電気代はかなりかかるので、当時付けらる方は少なかったです。

鉄線は見えませんよ。ユニットされてるものを板金下に入れるのです。

B.雪止め金物は仕上がった板金に上から取り付けられる商品で一般的な商品です。

屋根板金に挟めて締めるタイプ

現地はかなり雪が積もるところではなかったのでBの雪止め金物で検討しました。

そして、工事費用作成しました。(雪止め金物・片面足場・人工)

4.上司・会社への報告

問題発生から伝えていたので現場から戻りましたら、写真と状況報告し直すことを前提として見積もりを取るように指示されました。

雪止め金物を業者さんに取り付けてもらった時の見積もり、また足場も既に解体していたので片面だけの足場の見積もりを取りました。改めて上司へ報告し会社へ報告をしてもらいました。

すると、足場のような新築工事中やればかからなかった費用は会社で負担するので、雪止め金物を取り付ける分の費用は施主からもらいなさいとの指示でした。

その後、施主にどのように伝えるか営業含め話し合いを行いました。Aから取り付けさせてくださいではなく、まず提案をしようとなり施主とアポイントを取りました。

5.施主に説明

伝えるタイミングが遅かったですが、駐車スペースに落雪の可能性があることから金額を雪止め金物の取り付けを考えないか聞いてみました。

すると、施主自身もどうしようか考えており、地域性もあり積雪も多くないのでいらないかなと思っていたとのことでした。

そのように話されるのであれば取り付けてほしいので見積もりを知りたいとの事でした。

私たちも会社と相談していたこと金額のことを話して納得していただき、引渡し前に取り付けることができました。

6.教訓と反省

今回は、施主も同じことを考えていたことと施主と営業Aとの関係が良好だったことが要因でうまく話がまとまったと感じる内容でした。当時はあまり考えずにAに付いて行っていましたが、今考えますと『なぜ、早く気付かなかったのですか?』『今更そのように言われても私たちはお金出せません。』『プロが気付かないものを私たちが気付かないです。』など咎められるのではないかと考えてしまいます。

教訓として現場監理者は図面を確認している段階で気付くことが大事です。建物が建った時のイメージし施主に改善提案をしていくことが必要です。

ですが、経験が浅かったりすれば上司に図面をもっていって気を付けないといけない部分のリストアップを協力してもらったりするといいと思います。

また、経験が浅くても自身なりに立面図を使って水の流れるイメージを記載してみるのもいいと思います。新たな発見があるかもしれません。エアコンの室外機やガスタンクとぶつかりそうなど意外な発見があるもしれません。

イメージ写真です。こんな感じで4面書くだけでも検討する部分が分かりますよね。

私も次にならない様工夫していきたいと思います。もしより良い方法があればコメントください。

皆さんは私の様にならない様にご安全に・ご無事をお祈りします。

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