土地の契約の際に瑕疵担保責任に埋設物撤去の特記事項つけてますか?
弊社では、仲介地とはハウスメーカーで持っておらず、施主が不動産会社から購入してその土地に住宅を建てる場所のことを言います。ハウスメーカーで持っている土地で建てる場合は自社地と言います。
今回は仲介地で新築工事を着工する際に起きたトラブルのお話です。
1.土地の契約が出来ない!
着工直前に、営業から施主が見つけてきた土地が契約が終わっていないとの事でした。
理由は、更地条件で購入なのに契約予定日に土地を貸していた会社が立ち退いておらず、仮設事務所や資材が置きっぱなしだったからです。
更地になったのは元々の契約日から1週間たってからでした。やっと地盤調査を行い、遣り方(基礎の高さや配置のラインを出すもの)を出してスタートしたのです。
2.根掘りが出来ない!木の埋設物が邪魔している。
杭打ち工事も終わり、いよいよ基礎のスタート根掘り(基礎の底盤あたりまで掘る工事)が始まる日でした。
朝から基礎業者から連絡がありました。重機で土を掘ろうとしても丸太みたいなものに当たって仕事にならない現地に来てくれないかとの事でした。予定より早く会社を出て現場に向かいました。
すると、掘って10㎝くらいでコールタールの塗った丸太が出てきていました。どう見ても基礎の邪魔ですし撤去しないといけない状況でした。
3.敷地の5点の試掘
現地から上司に報告すると、基礎業者に土地4隅付近と中央で試掘をしてもらうように指示されました。
その場で、基礎業者に掘ってもらうと5点すべて丸太が確認されました。
間もなくして上司も現地で合流し、基礎業者と丸太1本をどのくらいか地面を削ってみると古い木電柱が埋まっていることが分かりました。まず、営業に連絡して契約内容と仲介業者に確認することになりました。
4.瑕疵担保責任の特記事項
営業Dに状況説明をしました。仲介業者に対応させられないか確認してくれと伝えました。土地の売買契約書を見ると瑕疵担保責任(詳しいことはこちらをクリック)の特記事項に買主が行う建築に支障のある地中埋設物のみを対象とします。の記載がありました。(建築に支障でる深さは北海道だと基礎の凍結震度は60㎝、基礎底盤の砕石で15㎝~20㎝が多いですので地盤面から約80㎝の深さの事を指します。)
それをもとに営業から仲介業社に連絡を取ってもらいました。
5.仲介業者・売主と打合せ
現地にて仲介業者と売主(土地を持っていた人)営業、私の4者が立ち合い元で状況確認をしてもらいました。
契約の元、売主が費用負担で撤去をすることとなりました。問題は今の状況でどちらが、撤去工事を行うかでした。
弊社としては一刻も早く撤去して工事を進めたい(引渡しが伸びる為)、売主は安く収めることを考えるところでした。私は取引のある解体業者に撤去費用と入れる日にちを確認していました。費用はいいとしても、3週間から4週間後との回答だったので、仲介業者側に早いところがあればやってほしかったのです。
費用を伝えて一刻も早く工事に入りたいことを伝えて仲介業者側でやってほしいことを伝えました。一度、持ち帰らせほしいと言われました。
翌日連絡があり、仲介業者側が2週間後に入れる解体業者を見つけ、そこで施工する事になりました。
6.施主へ説明に行く
営業Dと営業上司と私で伺いました。現地の状況と仲介業者と打合せ内容・撤去日程により新築工程が不透明になるので、引き渡し日が伸びることを伝えました。
施主は、私から電話で状況は少し聞いていましたが不安だったので説明しに来てくれたこと、話が進んでいることに感謝・安心していました。
7.撤去工事中は常駐指示
仲介業者から撤去日程の連絡が来ましたので、上司に伝えました。
すると、仲介業者側が安く抑えるために深く埋めたり、根掘りで掘らないところを撤去しない可能性があるので、常駐することとなりました。工事日程は3日間、定休日も代休なしで常駐です。
8.出てきた木電柱100本以上!
撤去当日、土地60坪大体に入ってることが分かりました。さらに井桁状に置いてあり100本以上あったのです。
丸太はコールタールが塗られており臭いもきつく、また、中が空洞になっているものもあり、中に水が入っていました。水は流動しないと腐るのですが、初めて腐った水のにおいを知りました。
9.更地立ち合い
工事が終わり、現地で立ち合いを仲介業者、売主、営業上司、営業D、私と施主で立ち合いました。
現地を確認し完了しました。施主は仲介業者から手数料を安くしてもらったようでした。引き渡しが伸びつなぎ融資の手数料が増えるからです。
それぞれ納得し終えました。帰り際、肩を落とした売主が残ってました。仲介業者に慰められてました。
10.なぜ、木の電柱があったのか?
元々、地盤は弱いところだったので地盤補強で入れたのだろうと思います。
売主は前回貸していた会社に確認しても入れていないと言われたようです。
結局、木電柱が埋設されていたのかわかっていないのです。なぜなら、色々な方に土地を貸しておりどのタイミングで入れられたのかが貸した人から伝えられていなかったのです。
貸すにしても管理をしっかりしていないといけないし、撤去費用で200円近くかかっていると思います。本当にもったいないですよね。
11.反省と改善
今回の件は契約の特約が肝でしたね。これが無ければ社内でもかなりの問題になったんではないかと感じます。
- 新築で建てる場合、瑕疵担保責任の特約で埋設物については入れるべき
- 着工後に埋設物がある事が分かるとかなり遅れます。時間がある場合は、試掘をやったほうがいいですよね。
- 仲介地で建てる場合、契約内容をしっかり施主と確認が必要
上記内容は当たり前の内容ですが、欠けていると工期も遅れ、撤去費用も掛かり、施主も理解していなかったら大問題ですよね。
皆さんも私と同じようにならないように気を付けましょう。
ただ、よく杭打ちは問題なくできたなと感じてますw
最後まで読んでいただきありがとうございます。ご無事・ご安全に!