#3 サッシ色の間違い・旧図面の管理見直し

 現在は、現場管理もDX化が進んでいますが、2014年頃はFAXや手書きがまだまだ多くアナログでした。

その中で自前の パソコンを持ち込んで仕事をしていました。工務課現場監理者の中で私だけ意匠図・構造図をPDF化して業者とメールのやりとりを始めていました。その際の資料のやり取りで失敗した話です。

1.打合せ後の電話による変更

 現場のスタート前からお話になります。

外壁や住設・クロス・電気配線まで決めるのが工務課の仕事でした。

当時も現場がスタートする前に約2時間ほど打合せして色決め・仕様の確定をさせて、図面へ反映させました。

その後、基礎工事がスタートして間もなくして、私に施主から連絡がありました。

サッシの色をブラウンからホワイトへ変更したいとの内容でした。

大工工事まで時間もあったので了承して変更することになりました。

2.図面の変更

 事務所に戻ってから、変更書類を作成し施主と書類の取り交わし後、図面へ反映させました。

日にちが過ぎ、大工工事がスタート間近になり、協力会社さんへ大工工程表と意匠図を添付してメールしました。

その際に添付した図面はサッシ色を変更する前のデータを添付していました。

3.施主から色間違いの指摘

 大工工事がスタートして間もなく施主から連絡がありました。

現地に納品されているサッシの色が間違っていますと言われました。

まず、大工に連絡してホワイトか確認してもらい違うことを知りました。

そして、スマートフォンで図面データを確認できるようにしていたので確認すると、図面が2種類(最新図と旧図面)あることに気付きました。出先だったので青ざめながら事務所に戻り、メールの送信履歴を確認すると旧図面を送っていたのでした。

4.施主へ謝罪

 上司に報告し、施主宅へ訪問し謝罪しました。私の間違いである事、至急正しいサッシを準備することをお伝えしました。

当時、施主は直していただければ大丈夫なので宜しくお願い致します。と言っていただきました。

内心ほっとしたのと、施主のやさしさに情けない気持ちでいっぱいになりました。

5.上司の意見と先輩の考え

社内に戻ると先輩から助言と見直しを言われました。

  • 業者へ図面の添付をFAXで対応したほうがいいのでは?
  • 業者もメールに対応しきれていないのではないのか。
  • メール出来ない業者にFAXを送っていて業務が2重になっていて無駄ではないか。
  • 常時12~15棟監理を行っていく中で、2重業務でミスがまた起きるのではないか?

先輩方から結構私の仕事に対して否定的な意見が多くて、正直びっくりしたのとサッシ間違いと的が得ていないと感じましたがやり方・進め方は見直していかないといけない点はあると思いました。また、今回大きく費用のかかるミスでしたので以前の慣れているほうに戻せばミスも少なくなるので戻すことも考えました。

 その後、上司から別室に呼ばれ下記の内容を伝えられました。

  • PDF(図面やプレゼン)管理方法を考える事
  • メールで業者に送る前に紙で印刷して図面を確認すること
  • 物件数をこなす中でやりくりする方法を工夫すること
  • 始末書を書くこと

淡々と話れました。まず、見直して現状より良くする事を考えなさいと言われました。

2重業務は工夫しなさいとの事でした。本当に上記の事を言っていただきありがたかったです。自分のやっている事に疑心暗鬼になっていたところだったので次ならないように工夫していかないとと思わしてくれました。

6.会社と上司と費用について

 上司は、私の知らないところで社長と話し費用を本人に出させろと言われて来ていました。

そして、別室に上司に呼ばれました。そこには先輩2人もいました。

  • サッシ費用を4人で持つこと
  • 割合は上司が決める
  • 残ったサッシの使用先がすべて決まれば返金される。

上記内容を淡々と話されました。3人に大変申し訳ない記憶しかありません。

設計や営業にも協力してもらい、モデルハウスや新規物件に使ってもらい2カ月ですべて運搬させていただき返金していただきました。

7.反省と教訓

 今回の件は施主にもちろんですが申し訳ないのですが、上司・先輩を巻き込んだ費用負担にすべて返金できる2カ月まで生きた心地がしませんでした。

二度と経験したくないと強く感じた2ヶ月の経験でいした。根性論の社長はそれが狙いだったのかもしれないですね。すごく効きました。

次ならないように下記の様に改善しました。

  • 図面・プレゼンを保存しているフォルダに最新図面と旧図面というものを作り管理するようにしました。
  • 大工入り前に送る図面は設計から送ってもらうようにしました。工程を送るメールにCCで設計担当に送りその後設計に最新図をPDF化して送ってもらいました。
  • 業者さんでメールが無くても当時LINEをしている方が多かったので業者に片っ端からLINEを教えてもらい各現場のLINEグループを作成して図面・工程・写真のやり取りを行いました。

上記内容を行うようにしてから先輩間違いも少なくなりましたし、業者さんからの評判も良くなり先輩方も同じようにするようになりました。

失敗から学ぶこともありますが、嫌な思いをしている施主もいるわけで、皆さんは私と同じようにならないようにご安全・ご無事に宜しくお願い致します。

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